今回は、セルビア南部を鉄道で移動後、頭蓋骨の塔 “チェラ・クラ”、南東部独自のメニュー “べリムジュ”を食べる旅に。
鉄道移動 ベラ・パランカ~ニシュカ・バニャ
ピロトのベラ・パランカ鉄道駅。
落書きだらけの古い車両を牽引するのは・・・
チトー大統領専用列車を牽引していた機関車。
当時は5台あった大統領専用機関車だが、現在稼働しているのはこの1台のみ。
見掛けることが出来たら珍しいかも知れない。
チトー特別車両で行くベオグラード~バル(モンテネグロ)の旅
この路線はシチェヴォ渓谷(400mほどの深さ)を通り抜ける。
ニシュ(西)とソフィア(東)の両線が混ざった見難い時刻表。
ニシュカ バニャ行きの列車は割と新しい。
車内も比較的清潔。
しばらくは田舎の景色が続く。
廃駅みたいな現役の駅や、
人の居ない駅を通過して、
シチェヴォ渓谷へ。
100年以上稼働していた “Sveta Petka 水力発電所”。
Frickr: Aleksandar Nicic
渓谷を走る路線は上から見ると深い川沿いを走っているのが分かるが、車内からは殆ど感じない。
寝ている間に渓谷を通り抜ける。
小さなローカル駅に到着。
一見民家?と思ったら…
?
その辺のオッサンが帽子だけ被って出て来ても分からない。
そしてニシュカ バニャ駅へ到着。
約1時間の列車旅だった。
チェラ・クラへ
駅からは車で10分移動、ニシュにあるチェラ・クラ(頭蓋骨の塔)へ。
受け付けで入場料200ディナールを支払い教会内へ。
チェラ・クラは、1800年初頭(オスマントルコ時代)に起こったセルビア蜂起の際に、敵の兵士と共に自爆したセルビア反乱軍の頭蓋骨を埋めた石造りの塔。
セルビア兵を抑圧したオスマン帝国の将軍ハーシド・パシャの命令によりこの塔は見せしめとして作られた。
当時は900体を超える頭蓋骨が埋められていた。
現在は58体が残されており、セルビアの文化的記念碑として保護されている。
ベル ムジュとは?
チェラ・クラを後に、ニシュカ バニャから北上。
Svrljig(スヴルリィグ)にある “トラック運転手クオリティー” レストランへ。
レストランお薦めのコバシツァ(ソーセージ)や、グリル野菜を注文。
そしてこの地方ならではのメニュー「ベルムジュ」を頼む。
ベルムジュとはセルビア南部のスヴルリィグやピロトなど、山岳地域に伝わるメニュー。
作り方は、山羊や牛のフレッシュチーズと小麦(コーンパウダー)を火にかけながら長時間混ぜる。
名前はベル(白い)ムジュ(男性)という意味で、混ぜ合わせるのに時間と労力が掛かることから、男性が作る料理として知られている。
味は、程よい塩加減でマイルド、油分が多く(カロリー高め)重いが美味しい。
セルビアでは無形文化遺産に指定されている。
南東部に旅行の際はぜひご賞味ください。