テレビやパソコン、携帯電話などの無線通信の基礎や、無線送電システムなど、技術進化に多大な功績を残したニコラ・テスラ。
この記事ではベオグラードにあるニコラ・テスラ博物館をご紹介します。
セルビアでのテスラ
セルビアにはニコラ・テスラ通りやニコラ・テスラ電気高校、ニコラ・テスラ空港など、テスラの名を冠した施設も多く、100ディナール紙幣にはテスラの肖像と磁束密度の単位(テスラ)が印刷されています。
ニコラ・テスラ博物館
ニコラ・テスラ博物館は、閑静な住宅街(ヴラチャル)にあります。
館内には、晩年を過ごしたアメリカのニューヨーカーホテルに置いていた金庫や、私服、
(写真:Nikola Tesla Museum)
遺灰が納められている骨壺、書類や写真、刊行物など約2万点のコレクションが保管されています。

亡くなった当時の遺品

(写真:共にNikola Tesla Museum)
その他、非同期モーターや、
二相誘導モーター(1887年発明)のレプリカなどの発明品が展示されています。
ガイドツアーで発明品を実体験
博物館では専門のガイドによる英語(やセルビア語)のツアーが行われており、発明品の説明やショートフィルム鑑賞をします。
送配電システム
発電所から変圧器-変電所を通し、電力が家庭に送られる送配電システムのデモンストレーション。
コロンブスの卵
ローターを備えた誘導モーターのレプリカ。
1893年のシカゴ万博で展示され、回転磁界を使用して銅の卵を回転させることにより、交流モーターが駆動することを説明しました。
ネオン
テスラが創始者と言われているネオン点灯の実験。
世界システム
テスラが考案した世界ワイヤレス送電システムは、ラジオやFAXなどの通信における無線電信と、電力の無線送電を可能にするマルチ無線システムです。
博物館では小型の装置を使った実演が行われます。
となりの部屋に移動して蛍光灯を持つと、
隣の部屋から「バチバチッ」という爆音と共に電気が発生、離れた所で持っている蛍光灯に灯が点る現象を体験できます。
ガイドの人は「この方法だとワイヤレスで電気を供給出来ます。電線も不要で電気代もかなり抑えられ、技術が発達すればアフリカなどの電力のない国へも供給出来ます。
それでも実用化しないのは石油や電力利権、スポンサーの反発が大きな原因となっています。」と熱弁します。
リモコン操作のボート
次の部屋へ進むと、世界初のリモコンボートの模型に、
ボートとリモコンの間に手をかざす男性
離れた所にある巨大リモコンから送られる電気の安全性を体感することができます。
リモートシステムはテスラにより1898年に作られました。

映画(2021年)で予習すると更に分かりやすいです。