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9月16日、リベルランドのヴィート イェドリチカ大統領が、自身の主張する領土で誕生日を祝ったところ、クロアチア警察により拘束されたという情報がリベルランド公式サイトに記載されました。
大統領は、2015年にもクロアチア警察に逮捕された経緯があり、同国への入国を禁止されていました。
今回の措置では最高20年に及ぶクロアチアからの追放の可能性も示唆されています。
この記事では、リベルランドの難しい立地問題と、実際に訪ねた時の状況を解説します。
リベルランドについて

リベルランド(Liberland)は、チェコ国籍のヴィート イェドリチカ氏(リベルランド大統領)により、2015年5月にセルビアとクロアチアの国境にある無主地(どちらの国にも属さない土地)を領土として主張する形で建国されました。
複雑な国境線と立地
リベルランドは、クロアチアとセルビア間を流れるドナウ川沿いにあります。
クロアチアからは陸続きで、セルビアからはドナウ川を越えます。

2国間の国境は戦前にドナウ川に沿って分けられていましたが、長い年月で川の形状が変わったため、現在は互いの敷地を占有する形になりました。
ユーゴスラビア時代は同じ国だったので国境線という意識はありませんでした。が、それが現在の無主地(どちらの国にも属さない土地)を生み出すことになったのです。
未承認のミクロネーション国家

リベルランドは、国連や各国から承認を受けた独立国家ではありません。
この様な国家(団体)をミクロネーションと呼びます。
ミクロネーションとは、独立国家または州と酷似しているが、各国の政府や国際連合をはじめとする主要国際機関によって承認されていない実体である。
wikipedia
別名ミクロ国家、自称国家とも呼ばれる。
ミクロネーションは、個人または家族によって小規模に行なわれ、しばしば風変わりなものと見なされることが多い点が特徴である。
リベルランド概要
正式名称 | リベルランド自由共和国 Free Republic of Liberland |
公式サイト | https://liberland.org/en/ |
市民権申請中 | 703,450人 |
面積 | 7km2 |
公用語 | 英語 |
通貨 | メリット (merit) |
モットー | 「お互い干渉しない」 “To live and let live.” |
海外 | 76支部 |
通貨

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ヴィート・イェドリチカ大統領

1983年9月6日生まれ(40歳/2023年)
チェコの自由主義の政治家、広報担当者、活動家。
プラハ経済大学で国際関係および国際情勢の学士号を取得し、市民民主党の党員となる。
2015年4月13日、セルビアとクロアチアの間にある未所有地にリベルラント自由共和国を宣言しました。

今後の壮大な構想

大統領はリベルランドの都市プロジェクトとして「エコロジー且つ内外のインフラが整備された都市を目指しています。都市プロジェクトは公募で選びました。
大気汚染、廃棄物問題を解決し全てのリベルランド住民が安全に暮らせるスマート都市を願っています。」と語ります。
また将来的にはホテル建築も構想にあるようです。
大統領も入国できなかった!

リベルランド市民になるには?

以下は、Go Liberland サイト『リベルランド市民権への究極ガイド』の抜粋です。
※ 条件や金額は変更する可能性があります。必ず公式サイトをお読みください。
リベルランドの市民になるには、国の創設者ヴィート・イェドリチカ氏により定められた要件を満たさなければなりません。
要件は次のとおりです。
- 18 歳以上であること
- いかなる重罪も犯さないこと
- 有効なパスポートまたはその他の渡航書類を所持していること
- リベルランドの原則(自由、起業家精神、ボランタリズム)に同意すること
- 申請料は 10,000 米ドルです
希望者は、Liberland の公式 Web サイトのオンラインフォームから手続き、申請料の支払いをします。
支払いが処理されると、リベルランドの国民として正式に登録されます。

リベルランド市民権を得るメリット
リベルランド国民として、あなたは制限なく自由にこの国に住み、働くことができます。
また、ビザなしでシェンゲン協定加盟国に自由に旅行することもできます。
さらに、あなたにはリベルランドの不動産を所有し、自分のビジネスを始める権利があります。
個人の所得や資産には税金はかからず、相続税もありません。
また武器を携帯する権利もあり、兵役の義務はありません。
問題点
この国はまだ非常に新しく未開発であるため、利用できるインフラや施設は限られています。
リベルランドには社会的セーフティネットがないため、福利厚生は自分で責任を負う必要があります。
リベルラント州は国として歴史が浅いため、政治が不安定になるリスクがあります。
– リベルランド市民権への究極ガイドより抜粋終わり –