観光時間の目安:~1時間
入場料:無料
サバ大聖堂 建築の歴史

サバ(サヴァ)大聖堂はセルビア正教の教会堂で、サバ(聖人)が奉られています。
建築の歴史は長く、1900年前半セルビア王国時に建築デザイン案が出されましたが、バルカン戦争(一次・二次)や 第1次・2次世界大戦で作業は停滞、1935年に具体的な構想が発表されましたが、宗教を認めないユーゴスラビア政権下で建築は禁止されていました。
1985年に再建築が始まり、2020年10月に正式に奉納されました。
地図と交通
サバ大聖堂は、共和国広場から徒歩で30分の場所にあります。
1.共和国広場からトロリーバス(29),(31)番でスラビヤ広場まで行き、
2.少し離れたトラム乗り場で (9),(10),(14)番のトラムに乗り換えて1駅です
※ トラムの路線や番号は工事などの変更が多いので、宿泊先でご確認ください。

サバ(サヴァ)聖人とは?

1170年代に誕生し、若くして修道士を志しストゥデニツァ修道院で指導者として修道士や教師の教育をするなど学問を普及させた人物。
それまではギリシャ人主教がセルビア教区を指導していましたが、セルビア正教を独立・定着させて初代セルビア大主教となったセルビア正教上最も重要な人物です。
サバ聖人や各聖人を祝うスラバとは? → セルビア正教~総まとめ

サバ聖人(大主教)の父親 ステファン・ネマニャ侯の銅像はこちらです。→ ベオグラード ウォーターフロント
正面・左右の入り口の祈祷文(日本語も)

聖堂の正面及び左右のドアには、24カ国の言葉で祈祷文(きとうぶん)が書かれています。

美しい装飾が施されたサバ聖堂内部

大聖堂は金を基調としたモザイク画が描かれています。
使用された金のモザイクは延べ12,000 m2 、タイルは19,000m2に及びます。

壁や床は大理石で出来ており、約半分の床には象眼模様(色や異なった素材をはめ込んだデザイン)が施されています。
地上の堂には11,000人を収容できます。
教会に入るときは【帽子を取る】 【露出の多い服装は避ける】(肩を出さないようにスカーフで覆う)ようにします。
写真撮影はほどほどに。フラッシュの使用は避けましょう。

中央のドーム(頂上にあるキリスト画から青い窓まで)は、地上でモザイク画を施したのち、ドームを中からリフトで持ち上げるという珍しい工法で設置されました。
ドームは4,000トンあります。

中央のシャンデリアはブロンズ製で、直径20メートルと世界最大級です。
各辺にイコン(聖像画)が組み込まれています。

天井や壁には、サバ聖人やキリスト、聖母マリア、聖人のモザイク画が描かれています。

近くで見ると、タイルで出来たモザイク画が分かります。
セルビア正教の特徴

セルビア正教は、東方正教会(ギリシャ正教やロシア正教など)の1つです。
カトリック(西方教会)との違いは、偶像崇拝をしない点やイコノスタスの存在、クリスマス・新年の暦、挙式の違いなどです。

イコン(聖像画)崇拝と十字の描き方

正教会にはキリストや聖母マリアの像はなく、信者は宝座と呼ばれる祭壇に設けられたイコンに祈祷します。

お賽銭(感謝金や寄付の解釈)は、金で縁取られた場所に入れます。

十字は、3本の指で上下から右→左に描きます。
イコノスタス

正教会には、最も神聖な場所である至聖所と、信者が祈祷する場所を区切る『イコノスタス』(イコノスタシス)と呼ばれる イコンの飾られた壁があるのも特徴です。
通常イコノスタスには3つのドアがあり、聖職者のみ入室が許されています。

クリスマスと新年の暦

セルビア正教のクリスマスは毎年1月7日で、イブの6日の夜から教会で祭事を始めます。

バドゥニャク(オークの木・キリストの誕生と豊作、健康祈願に各家庭に飾る)を教会で燃やします。
正月は1月14日になりますが、日本の元旦のようなお祝いムードはありません。
【セルビアのクリスマス動画】
スラヴァ

スラヴァとは、セルビア正教徒の各家の守護聖人を敬って祝う日です。
セルビアでは12月の聖ニコラスの日が最大となります。
スラヴァ前の40日間は断食(ポスト)のため、信者は肉が含まれる食品はとりません。
地下聖堂

地下には広さ1,800m2のホールがあり、サヴァ聖人の財宝や霊廟が奉られています。

イコノスタスの左手から霊廟へ向かいます。

教会内のお店

教会にはイコンや書籍、香炉、十字(ブレスレット)などを販売するお店があります。


キャンドルを灯す場所と意味

教会のお店で購入した蜜蝋のキャンドルは、聖堂内や外に設置しているろうそく台に灯します。

上の段は生存の人の幸せや健康を、下の段には亡くなった人の冥福を祈ります。
(平行に並んでいる場合もあります)
セルビア正教についてまとめました