国際色豊かになった「ベオグラード・プライドパレード」―しかし変わらぬ抵抗~15年の移り変わり

2010年 パレードに反対するフーリガン

以前、ベオグラードのプライドパレードを歩いたことがある。
その時は、「ちょっと様子を見てすぐに出よう」と思っていたが、警察や機動隊が完全に道を封鎖しており、いったん入ったら外に出ることは不可能だった。

その年はフーリガンや教会関係者の反発が強かった。(上の動画)

あれから15年。
今回は沿道からパレードを見ることが出来るのかと思い、街歩きに出たが、

またもやパレードの1ブロック先まで全て封鎖されており、全く外からは見えない状態だった。

入口では荷物検査が行われていた。
15年前と違うのは、IDなどの身分証明の提示が不要だったことだ。

会場前。

イギリスやフランスなどからの参加者も多数いた。

とても希少なセルビアのドラァグクイーン。

実行委員のアレクシスさん。(左)

「家族のために」と書かれた横断幕

今年は、ベオグラードで頻繁に行われている反政府デモの参加者も集まっている。

外に車が停まっていたので、アメリカみたいにドラァグクイーン達が踊りまくるのかと思ったら、座ってスピーチをしていた。(笑)

この日は風が吹き、さらにパレードはゆっくりと進んだのでとても歩きやすかった。

フリーな服装や、

明るい衣装も綺麗だった。

ベオグラード大学(法学部)前で、16分間 黙とうをした。
これは昨年ノビサドの駅の屋根落下で亡くなった人16名へ捧げるものだが、、長かった。

クネズミロシュ通りへと後進すると、

Vaznesenjska教会(昇天教会)の中からパレードに抗議する正教信者たちと遭遇した。

この光景15年前も見たわ。
毎年やってるのだろうか。ご苦労なことだ。

そこに黒い服の男が2人、こちらをスマホで撮っていた。
はじめこの男はフーリガンだと思ったが、私服警官だった。後で顔を照合するらしい。
いやこっち何もしてないのに、不審者扱い?

何か匂いがするなと思ったら、フェンスの向こうで香を焚いていた。
教会における香は、浄化や祝福の意味があるが、今回は完全に「悪魔祓い」だろう。(笑)
この対立構造は漫画みたいで面白い。

そこへ車に乗ったアレクシスさんが到着。
「あなた達もいつか分かることを願っている」とスピーチしていた。

そして終了。
パレードでは笛を吹きながら、大声で叫び、ゆっくり歩いていた。
これは不満を持つ国民の良いガス抜きになっているようだった。