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セルビアの難民事情 2015~2019年

5.セルビアの対応

セルビアはシリア難民時から 欧州連合(EU)やUNHCR、ユニセフといった国連機関に準じて支援活動を行ってきた。

Šid(シド)鉄道駅でシリア難民を誘導するUNHCRスタッフ

現在セルビアにある難民施設・・・・・13棟
セルビア国内で確認している難民数・・・約4,600人
その内 約9割の人が施設に滞在している。
その他、レセプションセンター、救助センターがある。

ここではクロアチア国境近くにある2施設内部をご紹介します。

アダシェバツ難民センター


現在 約400人が居住(定員1,000人)
医師、ペルシャ語通訳、教師など30人のスタッフが勤務。
元は廃モーテル。クロアチア近くの高速沿いにあるため、シリア難民時は鉄道へ乗り継ぐ待機所として使われていた。
現在は更に改築されて難民が寝泊り出来るようになっている。

食事はケータリングだが、施設内に厨房を設置中。
料理は豚肉無し、米や野菜を中心にしたメニューとなっている。

医務室
隣国から強制的に施設へ連れ戻された難民は、ここで診察を受けることもある。

子供達の教室

女性用の作業場
ここでカーテンや日用品を作っている。
施設スタッフのクリスティンさんは、「とにかく退屈することがないよう、何かが出来るように気を付けています」と話す。
その他、パソコン設置のITコーナーや小さな図書館がある。

家族用の部屋

2~3家族が同部屋になっている。

別の棟には独身者用の大部屋がある。

プリンチポバツ難民センター


アダシェバツ難民センターから北へ30分。

町から離れ畑に囲まれているプリンチポバツ難民センターは、以前は小児病院だった。
こちらもアダシェバツと同じく、診療所や食堂、子供用の教室等がある。
現在はアフガニスタン、イランを中心に、チュニジア、インド、ソマリアなどからの難民 約200人が滞在。 ハンガリーやオーストリアへの移住許可を待っている。

自室のベッドの上でナンを焼くパキスタン男性。

理容室で髭を整える男性。

施設の資金はどこから?

セルビアにはユニセフより、2018年に405万USドル(約4.3億円)の支援金が子供の保護、教育費などとして計上されている。
UNHCRのレポートを見ると、南東ヨーロッパ地域として同額以上の提供がされていると推測できる。
欧州連合(EU)からは320万ユーロ(約4.2億円)が施設や設備のために提供されている。
セルビアからも難民救援活動費は捻出されている。(非公表)

因みに日本は2017年にUNHCRへ、1億5200万USドル(約163億円)の資金援助を行っている。

資料参考:
UNICEF : Refugee and migrant crisis in Europe
UNHCR : Needs and Funding Requirements

 

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