セルビア南部にあるのどかな田舎。
人口1,000人ほどの小さな村 “ドニャ ロコシュニツァ”(Donja Lokošnica)では、毎年300トンのパプリカを生産している。
9月になると各家庭の外壁やフェンス、窓などあらゆる場所に干される景観は有名で、
別名「赤い村」とも呼ばれている。
ドニャ ロコシュニツァで生産されたパプリカは、乾燥後に粉砕してパプリカ粉や、プニェナ・パプリカ(パプリカ詰料理)用、アイバルに利用される。
日当たりの良い場所はパプリカが占領。
どこまでも続くパプリカの塀、
玄関先にすだれの様に吊るしたパプリカ、
フェンスの目隠し代わり、
建築途中の家にも、
リンゴの季節だけど、パプリカももれなく乾燥中、
路地裏も余すところなく活用、と村中がパプリカ一色になる。
村の一軒のお宅を訪ねてみると、
お母さんがアイバルを作っていた。
朝8時から既に4時間 煮続けているという。
お父さんは乾燥用パプリカを紐に繋げる作業を行っていた。
こちらは辛い香辛料用パプリカ。
「この村で採れるパプリカは300年間同じ品種を保っている。」と話す。
庭内にも勿論パプリカ。
更に進むと、
フェンスや隣の柵~窓などあらゆる場所にパプリカを干している家があった。
「パプリカの写真を撮らせてください。」と頼むと…
息子さんのアレクサンドル氏がポージング。
?!
パプリカ持参バージョンでもポージング。
アレクサンドル氏によると、1ヶ月外干しした後は2階の風通しの良い室内で更に乾燥させるのだそう。
村で唯一の学校。
ここでは毎年秋にパプリカフェスティバルが行われ、パプリカ紐通し競争など開催される。
(Image: jugmedia.rs)
ベテランクラスでは、パプリカ100個を1分以内に紐に通すことが出来るという。
パプリカは村の周囲にあるビニルハウスで栽培されている。
秋の収穫期は家族総出+労働者を雇い休む暇なく働き、冬~春は種の仕分け~播種、夏は栽培と年中パプリカと共に過ごす。
小さな村が赤く染まる光景は、世界でもドニャ ロコシュニツアのみとのこと。