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【日本に暮らすセルビア人】 芸術大学留学生 マリヤナさん

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マリヤナ・アンジェリッチさんは、東京藝術大学で日本画を学ぶ留学生。
来日して3年半になるマリヤナさんだが、日本に来た当初は【日本人の列】に驚いたという。
「レストラン、電車、至る所に出来る列とそれに我慢強く並ぶ日本人」に感心したというセルビア人学生の見た日本の文化や生活の様子を伺った。

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セルビア国内の展示会にて。

– 日本の芸術に興味を持ったきっかけは何ですか?

セルビアの芸術大学に通っていた時に、芸術哲学を学びました。 その時の教授がとても面白い人で、特にインドや中国、そして日本の哲学的思想を教えてくれました。
その後 日本の文化に触れる機会があり、日本画を学ぶことを志しました。

– 日本の芸術のどこに惹かれますか?

日本の伝統工芸(漆塗りや織物など)が、芸術として高い基準に達している点に惹かれます。またそれを作る職人が高く評価されていることもです。
芸術が発展するためには、豊かな環境(人々の理解や協力など)を要します。 最高基準に達するために作っては壊し、という作業が繰り返されてきたことにも感心します。
あと、“カワイイ”という言葉が褒め言葉として広い範囲で使えることも面白いですね。(笑)
言い換えれば、日本の芸術を基準とした日本文化に惹かれます。
これらの文化は、日本画の技巧や茶道の形式美、京都や奈良の仏像から見て取れますし、末はラーメン店の秩序ある行列にも通じるものだと思います。 (笑)

– 好きな日本の芸術家は誰ですか?

現在、松井冬子さんに注目しています。 日本画のホラー画を非常に高いレベルで再開させた人です。
お気に入りの画家は日本画の大家である、酒井 抱一、俵屋 宗達、伊藤 若冲です。

– マリヤナさんの絵画のコンセプトは何ですか?

特には無いのですが、私自身の人生経験や学んだことを反映するようにしています。
日本に来てから私は自分の民族性を強く意識しました。 同時に新しい環境を受け入れなければいけませんでした。私の絵画は必然的に変化しているのだと思います。

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アトリエにて。

– 平日は何をしていますか?

月曜~金曜は、殆どの時間を学校のアトリエで過ごします。 午前9時~午後9時まで居ることもあります。 通常は午後6~8時に終わります。
金曜日は子供達にプライベートの英語レッスンをしています。
また月に2回、埼玉の年配の女性グループに英語のレッスンをしています。
土曜日は、染物店で夕方までアルバイトです。 日曜日は休日です。
不思議なことに、このスケジュールでも疲れるということがありません。
良い人達に囲まれているからだと思います。

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ヘルシーフードがお気に入り。

– どの日本食が好きですか?

全て、納豆も好きです。いや納豆はそれほどでもないかな、でも食べれますよ。
日本に来て半年で12キロも体重が増えてしまいました。
日本食 大好きです!

– 彼氏は居ますか?

フフ・・居ますよ。日本人の彼氏です。 でも外国人女性にとって日本人彼氏をゲットするのはとっても難しいです。
私の場合、関係を築くのに3年も掛かりました。 日本の男性はとてもシャイな人が多いです。友人関係でもシャイな人が多いと言えます。
勿論そうでない人も居ますが、何せ時間が掛かりましたね。

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– 日本は安全な国だと思いますか?

日本は極めて安全な国の一つだと思います。 財布やバッグ、携帯電話を忘れてしまっても、同じ場所にあるんです。
夜暗い道でも危険ではないと思います。 勿論、おかしな人は何処にでもいます。 でも交番が至る所にあるので安心です。
一つだけ少し心配していることは・・「コンビニを出るとき私の傘が無事かどうか」ということでしょうか。 それだけが“唯一”心配なことですね。

– 日本の物価は高いですか?

日本に住んで4年目になりますが、野菜と果物の価格は今でもショックですね。
それから交通費も。でも夜行バスは学生でも利用出来る金額だと思います。

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国内旅行先にて。

–  日本の何処を旅行しましたか?

九州を色々と旅しました。
東京と東京の外では、2つの異なる国のようです。 東京では何でも手に入るのでお気に入りの都市ですが、自然や文化に触れるなら奈良に行きたいです。
いつか北陸へも行きたいです。 勿論沖縄も行ってみたいです。

– 今後の展望を教えてください。

そうですね、沢山ありますが来年の博士課程の試験に受かることですね。 頑張らなくては!
またこのユニークな機会(セルビア人としては初の日本画を学んだ)を活かした仕事をしたいですね。

– 日本人やセルビア人に思うこと、伝えたいことを教えてください。

長く住むと、当初感じた違和感はそれほど感じなくなります。
例えば学校で林檎を食べたのですが、セルビアでやるのと同じように丸ごとかじったら、ここではとても奇異に見えるんです。 まるで私は野蛮人みたいに感じました。
葡萄もそうです。私は皮を剥かずに食べるのですが、友人達は驚きます。
環境が変わるということは、楽しい事も辛い時もあります。
たまに、「セルビア人はもっと勤勉に几帳面になればいいのに。」と思ったり、「日本人はもっとリラックスして楽に考えればいいのに。」と思います。
これは日本で生活をしたから分かったことです。
今までに人生と芸術について沢山のことを学びましたが、何よりも私は文化の重要さを学びました。