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女性煙突掃除人 ヤスミナさん


バルカン地方でただ一人と言われる女性の煙突掃除人のヤスミナさんは、この道16年のベテランだ。
地元では国内の新聞や雑誌、TVにも出演するちょっとした有名人である。


仕事を離れると、お洒落で気さくな2児の母。

故郷のコソボでは法律専門学校に通っていた彼女煙突掃除人になるには学歴は必要無く、数ヶ月のトレーニングとセミナー受講が必要だそう。「結局弁護士にはならなかったけど、これはこれで気に入っている」そうだ。
仕事内容は煙突掃除に加え、キッチン、ホテルのダクト、工場内のヒーティングシステムの清掃なども含まれる。
化学薬品や、煤(すす)などの有害物質、高所での作業も心配され、特に母親からの反対が強かったという。
100人以上いる同僚の中で女性は彼女一人。女性が入社してもいつも3ヶ月と続かないそうだ。
男性だけの職場で困ったことは無かったのだろうか?
「困ることは何も無かったわ。だって私は彼らの常識に合わせてきたから。彼等に同化するあまりに可愛い女の子が居たら私も目で追ってたりね。でも顧客から私だけ仕事を依頼されたり、新聞やテレビに取り上げられたりするもんだから、彼らからの嫉妬は絶えないわよ。」
手作りの煙突掃除ブラシ(お守り)を頂いた。セルビア(ヨーロッパ)では、煙突掃除人を見掛けると良い事があるという。

セルビアでは、家やマンションの屋根の修理をしている人をよく見掛けるが、その人達の殆どが命綱を付けていない。
故に年に何人かは落下して死亡ということも起こる。このことが不思議でたまらなかった筆者は彼女に聞いてみた。
「そりゃ規則では命綱をつける事は義務だし、無いと絶対に危険よ。でも、セルビア男っていうのはね、どれだけ自分がマッチョであることかが一番重要なのよ。(- 溜め息 -)それに面倒臭がりだから、マスクやグローブを着用するだけで、もう充分だ!って思ってる。その上に命綱なんて鬱陶しくてやってられないのよ。」
–  あぁ、そうだったんですか。 よく分かったような分からないような。。

「それよりも・・・
この間、ドキュメンタリーで日本人は仕事から帰ってくるのが晩の9~10時だって言ってたけど本当なの?
そんな生活で一体いつ自分の時間が持てるの?
私はそんな生活は無理だわぁ。
だって人生は短いのよ。
ぶっちゃけ、凄~く短いわよ。
私はその短い人生を 初めて娘の歯が抜けたことを喜んだり、娘の初デートの相手はどんな子かしら?って想像したり、そんな小さな事を楽しみに生活したいわ。」
そんな家族思いのヤスミナさんの今後の目標は、ご主人が立ち上げた会社を一緒に経営していくことだ。
貴重な経験を生かして今後もぜひ頑張ってもらいたい。