セルビアでは、野菜や果物はピアツァ(市場)で買うのが通常だ。
ピアツァは各地区に設けられおり、週末は大勢の買い物客で賑わうセルビア人の台所だ。
そのピアツァで自作の野菜を売って60年というジカさんに、現在のセルビアの農業、EU加盟を見据えた農業家の懸念などを聞いてみた。


1. ジカさんの売り場には、所有する畑で収穫した季節の野菜が並ぶ。どれも自然で素朴な風合いだ。
2. 仕事帰りには居酒屋へ立ち寄るのが日課。そんなジカさんご指定の銘柄はJelen
3. 「子供の頃は親父と馬で市場まで行ったもんだよ。川を渡る時にゃあ小さなボートに馬と一緒に積まれてひっくり返らないかとヒヤヒヤしてたよ。」と話は尽きない。
4. ジカさん自慢のメロン。このメロンだけを買いに来る人も多いと言う。中はオレンジ色・白色の風味豊かなメロンだ。

自宅はベオグラードから車で40分のオポヴォ(土地名)。
市内の景色とはガラりと変わってのどかな田舎の光景だ。

自宅裏にはカボチャ畑がある。春までは新ジャガイモ畑だった。手前にあるのは牛のたい肥。(↓)

冬にはこの乳牛から採れた牛乳も売り場に並ぶ。

息子さんにトウモロコシ畑を案内してもらった。
今年はトウモロコシが豊作だそうだ。
「このトラクターは中国製なんだ。
本当は、クボタが欲しかったんだけど、高いからね。。」
現在の農業家が抱えている共通の問題は、設備や規模を広げたくても銀行が貸し渋り、借りても高金利(15%以上)、そして返済不能に陥ってしまっても公的援助を受けられないという不安だ。
さらにEUに加盟することにより、流通ルートが複雑化(農協や複数のブローカーが発生)、農業家の卸価格は下げられ、市場価格は高騰することが予測されるという。
また近年はギリシャなど南部からの輸入野菜・果物がシーズンより一足先に市場に安価で並ぶ。
それより遅れて同じ作物を出荷しても、人々は買ってくれないという。
セルビア南部の農村では、日本と同じく「嫁不足問題」が深刻だ。
若い女性は都市へ出て行く傾向なので、アルバニア人女性と婚姻する農家の男性も多いそうだ。
「うちだって3代続いてきたけれど、次の代は農業を続けていけるかどうか。。12歳の孫には英語とパソコンを習わせてるよ。」
セルビアの食料自給率は100%、人々は安価で安全な農作物の恩恵にあずかっている。
日本から見れば羨ましい話しだ。
がしかしこれはいつまで続くのだろう・・そんな不安も残る今回の農家訪問であった。