特集

セルビアの難民事情

4.隣国の警戒・何故難民はセルビアに留まるのか?・セルビアの密入国手配者

隣国の警戒


ハンガリーの国境に近付いてくると、セルビア国境警察より先に ハンガリー国境警察が(国境フェンス越しに)出て来た。 ハンガリー側で相当警戒していることが分かる。

クロアチア、ハンガリーの国境警備は強固だ。
クロアチアは赤外線サーマルカメラやドローンを使い、ドナウ川からの密入国者を昼夜監視している。
ハンガリーはご存知の通り、セルビア及びクロアチアの国境沿いに4mの高さのフェンス+2重のワイヤーを500km超に渡り設置。
赤外線サーマルカメラや警報、数ヶ国語対応の警告器完備のハイテク壁の設置後は密入国者も大幅に減少した。

何故 難民はセルビアに留まるのか?


これには、EU及びシェンゲン協定が関係している。
シェンゲン協定とはざっくり言うと協定国間(ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど)を移動する際の入国・出国審査を基本的に不要とするものだ。
この協定と通貨の統一で、ヨーロッパ内の物流や人の移動を効率的に行えるようになった。
だが見方を変えると「シェンゲン圏に入りさえすれば、EUのどの国にも簡単に行ける」ということになる。
そのためセルビアを縦断してシェンゲン圏に入ろうとする難民が増加、これに対しシェンゲン及びEUの端に位置するハンガリーやクロアチアの警備が激化 ⇒ 難民セルビアに足止め、という構図を生んでいる。

セルビアの一般人による密国手引き問題

国境近くに住んでいる者の中には、ボートでドナウ川を渡る手引きをしたり、トレーラーの貨物を開けて難民を中へ入れたり、国境近くへ連れて行き(タクシー運転手)報酬を得ている者が居る。

他のセルビア人は手引き者に対して「不景気な地方では、密入国の手引きもついやってしまうだろう。」と妙な理解を示すが、刑罰は実刑とかなり厳しい。

有罪宣告を受けた(人間の)密輸業者 : 実刑と得た代金の返還義務
2015年3月15日から8月21日の間に、11人の密国業者が400人の難民をセルビアからオーストリア(ハンガリー経由)まで違法に国境越えをさせた。
密国業者は、それぞれ1~5年の実刑判決(1人平均3年)を受けた。
実刑判決のみでなく、難民から得た報酬合計 317,000ユーロ(約4200万円)の返還も必要。
所持している車の没収、携帯やパソコンも証拠資料のため没収される。(2017年に判決)
BLIC 2018年1月16日より抜粋

ブルガリアでは-


ブルガリアには有志で集まった自警団が、トルコとの国境を警備している。

密入国者を見つけた時に警告するカード(英語、ペルシャ語など)には、

許可無く国境を渡ることは、刑法第279条第1項により犯罪です。
密入国は刑法第159条により犯罪です。
EU(欧州連合)へは指定された場所からしか入国できません!
あなたは犯罪を犯しています! 速やかにお帰りください!
助けの必要な女性、子供は112番へ電話してください!

と書いてある。
ブルガリア自警団は「難民の1割がISの戦闘員(若しくは訓練を受けた者)だ。武装して入ってくる難民も居た。彼等の資金はソロスが提供している。」と話す。

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