特集

セルビアの難民事情

2.何のためにヨーロッパへ? 旅のお金はどこから?

アフガニスタン・パキスタン人から出てくるキーワードは「タリバン」だ。
30年にも及ぶ内戦、タリバン、アルカイダに加えISまでもが介入し始めたアフガニスタン・パキスタンの情勢は悪化する一方だ。
「父親を殺された」「兄弟を殺された」「これ以上故郷には居れない、家族から国を出てヨーロッパへ行けと言われた」と話す人が多い。
彼等は約2年前に、イタリアやドイツを目指して故郷を出発した。
目的地には親戚が既に移り住んでいる人もいて、「ドイツ(イタリア、スイス)に住んで学校に行きたい仕事に就きたい」「持病を治したい」と全員が口を揃えて言う。
経済難民の主なルートはパキスタン-アフガニスタン-イラン-トルコ-ブルガリア-セルビア-クロアチア-スロベニア-オーストリア-ドイツ。

密入国に掛かる費用と、悪質なブローカーの存在

アフガニスタンやパキスタンには、欧州までの密入国を手引きするブローカーが存在していて、これを利用する難民も多い。

画像 : MIGRATION DATA PORTAL

MIGRATION DATA PORTALの「行き先別 密入国手引き(ブローカー)に支払う最高額:ユーロ」によると、密入国に掛かる費用は、

● アフガニスタンからギリシャ  6,300ユーロ(約84万円)
● アフガニスタンからドイツ  22,100ユーロ(約293万円)
● パキスタンからギリシャ   24,000ユーロ(約318万円)
となっている。

聞き込みをしたパキスタン人はブローカーにヨーロッパへ連れて行って貰う代金として、3,000ユーロ(約40万円)を支払ったという。
手配されたトラックに乗り違法に国境を越えるのだが、彼はブローカーに騙され、ヨーロッパではなくトルコで放り出されたそうだ。
殆どの難民が同じようにブローカーに騙されている。

※ 難民が話す「ヨーロッパ」とは、ドイツ、イタリア、フランス、スイス、ベルギーなどのEU主要国のこと。

お金はどこから? 囁かれる陰謀説

決して安くない旅の資金やブローカーに支払う料金は、家族やヨーロッパ移住に成功した親族から得ているとのこと。
しかし3,000ユーロだけでも大金だ。 こんなお金を全員が捻出 出来るのだろうか。

ブルガリアの自警団(後述)によると、投機家として知られる資産家のジョージ・ソロスが、イスラム教徒やISによるヨーロッパ混乱を目論み難民へ資金を提供しているという。
このような陰謀説はイタリアやハンガリーでも度々話題になる。

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